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福岡のルーツ

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現在の福岡市周辺には旧石器時代から人が住み着いており、那の津と呼ばれていました。やがて博多と呼ばれるようになり中世には中国や朝鮮との貿易拠点として発展していきます。平安時代末期に平清盛によって埠頭が造られると一層発展を遂げ、室町時代へかけて豪商による合議制によって運営される自由都市へと変貌していきます。

武士による統治体制が復活したのは戦国時代になってからで、当初は毛利一門の吉川氏が支配しました。次いで関が原の戦いの後になって黒田氏が移り住み、新たに平地に築いた城に「福岡城」と命名したことがこの地名の始まりです。ちなみにこの福岡とは黒田氏出身地である現在の岡山県瀬戸内市長船町福岡という地名からとったとされています。市域は那珂川という大河によって東西に分断されており、商業の中心地として古くから栄えていた東側を従来どおりの博多と呼び、政治の中心となる西側を新たに福岡と呼ぶようになったのです。江戸時代から明治維新にかけては一つの都市でありながら二つの呼び名を持つ変則的な形態が続きました。

1876年(明治9年)に至って地域区分の統合が行われた際には、両地域がその名の存続を求めて争そっため一旦は「福博」区と改称されました。さらに1878年の郡区町村編成法の施行に際し政治を優先させ福岡区となったのです。やがて1889年市町村制度が施行されると、現在の呼称である「福岡市」となり今へと続いています。